3週間ほど前、AIR-internet-EDGEさんに「ある企業の経営危機」という記事が掲載されました。
まぁその会社が何処なのか、あるいはその記事やさらに記事中のリンク先記事が本当なのかは個人の判断に任せるとしてです、

実際問題として、日本では今まで何度もケータイサービスが潰れるという事象は発生しています。
PHSキャリアのアステルグループが軒並みサービス停止していったことは正にケータイサービスが潰れてしまった現象そのものです(サービス開始前に潰れたアイピーモバイルというのもありましたな)。
さらにはグループ内の資産集中等を理由にサービスを停止に至ったドコモPHSやツーカーも潰れたケータイサービスに含むことができます。近い将来にはこれにドコモのmovaとソフトバンクの2Gも追加されるはずです。
また買収という形で無くなったJフォンやボーダフォンも広義では潰れたケータイサービスだと言えるでしょう(サービス開始前に潰れたアイピーモバイルというのもありましたな)。

ではこれからはケータイサービスで潰れるものは発生するのでしょうか?
と言いますと、グループ内でのサービス停止はもちろん続くでしょうし(FOMAなどの3Gも4Gなどが登場すれば消える可能性はある)、またケータイキャリア自体の存続が危ぶまれるところもゼロではないと思われます。
個人的には可能性がゼロではないから可能性が高い、むしろ潰れない理由が現状わからないところまで、3キャリアあると思っています。まぁ下から3つです、レベルはそれぞれ違うにしてもね。

もし自分の使っているケータイサービスが停止することになったら、どんなことが待ち受けているのでしょうか?

今使っているケータイサービスが停止すると決まっても、ほとんどの場合はかなりの猶予期間が儲けられるはずです(よほどの危ない状況を隠していてそれを隠し切れなくなって即日サービス停止、ということでもない限りはね)。

しかしここで大きく道は2つに分かれます。
受け皿となってくれる会社が現れるか、それとも現れずにサービスが停止へと追い込まれるかです。

もし受け皿となってくれる企業が現れない場合、アステル同様に停波となりケータイサービスが終了してしまいます。
この場合ユーザーは自分で新たなケータイキャリアを決めて新規契約せねばなりません。
が、潰れるケータイキャリアとの契約状況次第では、しばらくの間は支払い義務が生じる可能性が出てきます。

潰れるキャリアのケータイ代自体は使った分だけ普通に支払うことになります。また解約等に関わる手数料等も普通に支払う必要があります。これらは特に問題のない部分です、使った分、契約条件分だけ支払えば済みます。

問題となるのは端末の割賦代金の残額です。
ケータイキャリアが潰れた場合でも、ケータイ端末代金の残額については支払い義務があります。キャリアが潰れても端末代は払わねばならないのです。
もしケータイキャリアが潰れて回収できない場合には、その端末売掛金の債権は各債務者が代わりに回収することになるでしょう。
そうなった場合、ウィルコムやソフトバンクのように端末を割賦販売した上で、割賦販売に関する割引をケータイ代に適用するタイプの販売方式&ケータイプランでは、ケータイ代金自体が消失することで割引が無くなること、つまりはケータイ代の割引分を割賦販売に照らして考える実質販売価格が存在しなくなり、元々の割賦金額を支払う可能性が高いと言えるでしょう。

仮に、新規でWILLCOM 03を買って1年後にキャリアが潰れてサービス停止したならば、端末代金残額は31560円(2630円×12ヶ月)となり、当初予定していた端末代よりも19800円(特別割引額1650円×12ヶ月)多く支払わねばならなくなります。
仮に、新規でiPhone3G16GBモデルを買って1年後にキャリアが潰れてサービス停止したならば、端末代金残額は40320円(3360円×12ヶ月)となり、当初予定していた端末代よりも23040円(1920円×12ヶ月)多く支払わねばならなくなります。

割賦販売についてはあらかじめ割賦販売価格が提示されそれを理解した上でユーザーが契約しているという形になるはずですので、割賦金額が減免される可能性はあまり望めないでしょう(もし減免されるならば、現状での中途解約時でも減免されるケースが出てきているはずです)。
ケータイキャリアが潰れて受け皿が現れないと、ユーザーは損することは合っても得をすることはなさそうです。

では受け皿となってくれる会社が現れればユーザーは救われるのでしょうか?
と言うと必ずしもそうではなく、ユーザーにもある程度の痛みを背負わせる結果となる可能性が高いでしょう。

まずサービスが変わります、現状のプランへの契約が不可能となる可能性が高く、またメールアドレスやサービス料金などが変更となるでしょう。
これはかつてのJフォンがボーダフォンに買収された時、そしてボーダフォンがソフトバンクに買収された時にも発生しました。最初こそ「ユーザーを守る」などと言ってはいますが、結局は旧来のプランは契約出来ないようにし、メールアドレスなども変更すれば新ドメインに変更となり、またこまごまとしてサービス料金も新しい会社のモノへと併合されていきます。
まぁこれは仕方の無いことです、他キャリアと戦略も違えば採算の取れるプラン提示も違いますからね、そこは新キャリアのモノへと標準化されてもやむなしです。慈善事業ではなく普通の事業として受け皿になるわけですからね。

ただ潰れるキャリアが無理な料金プランをしていた場合には新キャリアでは受け入れられずに、プラン自体が変更となる可能性も否めないと言えるでしょう。
その最たるモノがホワイトプラン、月980円で準音声定額となるこのプランを既存キャリアでも新規事業者でもなかなか用意には受け入れられないと思います。
また同様に割賦販売によって発生・適用されるケータイ代割引についても容易には受け入れられない可能性が残ります。特に既存キャリアが受け皿となった場合には難しいでしょう。

このように考えていくと、使っているケータイキャリアが無くなったが受け皿となる企業が現れた場合でも、ユーザーはケータイ代増や実質端末代の増額という痛みを背負うことになりそうです。

つまりは受け皿があろうがなかろうが、ケータイキャリアが潰れたらそのユーザーは大なり小なりの痛みを伴う可能性が高い、と言えるわけです。

ケータイキャリアが無くなること、それはけして好ましいことではありません。
しかしユーザー数が伸びずにそのユーザー数での黒字化が出来なかった場合や、あるいはユーザー数を伸ばす為に無理なプランなどを立ててそのリスクが効果よりも大きかった場合には、そうならないとは言い切れない部分も存在します。
良くも悪しくも2年縛りと割賦販売が当たり前になってしまった今時のケータイ、自分の身を守る為にはそのキャリアに本当に未来があるのかを見極める目も必要な時代になってきたのかも知れませんね。