2007年はケータイ業界にとって、端末販売と料金プランが大きく変化した年だったと言えるでしょう。
ソフトバンクモバイルの準音声定額プラン「ホワイトプラン」と割賦販売方式「新スーパーボーナス」に始まり、ウィルコムの割賦販売方式「W-VALUE SELECT」、au版分離プランとなる新料金プラン「シンプルコース」に、ドコモの割賦販売適用可能な新料金プラン「バリューコース」とケータイ主要4キャリアが軒並み新しい販売方式と料金プランなどを提示してきた形です。

しかしこの販売方法も長く続くとは限りません。
というのも、これらはいわゆる「分離プラン(実際のケータイ料金と端末代金相当分を分けたプラン)」という形で現時点で提示されたものでしかなく、今後も改定や変更などが行われると思われるからです。下手すりゃ来年にはまた別のプランが出ているかも知れませんからね。

このキャリアによって方法論も割引方法も違うこれらのプランたちですが、しかしながら見方を変えると1つの同じ土俵に立ったとも言えます。
それは『おおよそ2年間の利用を前提としてのプランである』ということです。
これは「新スーパーボーナス」や「W-VALUE SELECT」、「バリューコース」といった割賦販売方式(もしくはそれを含むプラン)はもちろんのこと、auにおいては「シンプルコース」よりも「フルサポートコース」の方がお得なこと、そしてフルサポートコースも基本として2年契約前提で最大割引適用にも2年契約が必要になることなどからも明らかです。

ということはです、2年間のケータイ料金合計と、端末購入に関する費用を合計すれば、現時点でそのキャリアを2年間使った時の本当の金額がわかるはずです。
そしてこれはどのキャリアにも当てはまる為、現時点でどのキャリアがどのぐらいの支払いになるのかという比較が明確にできるはずです。

そうです、某キャリアのような自キャリアにだけ有利な切り口ではなく、公平で客観的な比較が可能となるのです!

まぁそんな感じで、がんばって各キャリアを新規端末購入で一番安い料金プラン適用とした場合に2年間合計で幾ら必要になるのかを計算してみました。
ただし、ソフトバンクモバイルだけは新スーパーボーナス24回払いでの購入時には2ヶ月間端末代支払いが免除されてその後24回払いという変則的な方式ですので、実際に端末代が支払われている24ヶ月で考えます。
これは2年間以後の料金はケータイ代に準拠する、という考えを基に行うことにしました。何卒ご了承下さい。
また現在の一般的な利用には複数キャリアへのメールも含まれるだろう、という前提で、メールを利用できる最低限の環境の分(iモードやS!ベーシックパックといったネット基本料)も含ませて頂きます。
端末価格についてはドコモとウィルコムは一般的な販売価格、ソフトバンクモバイルはソフトバンクオンラインショップでの価格、auについてはレクサスプランニングでの価格を参考にさせてもらいました。
ただし、契約事務手数料等は契約形態やキャンペーンでコロコロ変わるので今回は除外して考えます。入れれば現状ウィルコム有利なんどもね。

■NTTドコモ編

ドコモは現状新料金プランが適用されるのは905iシリーズしかなく、それも値段が2種類しかない為にバリューコースとベーシックコースそれぞれにタイプSSでの最低支払額を計算しました。店頭では現在頭金0円で販売されている為にそれに準じた形を取っています。
既に判明しているように、ドコモの場合にはバリューコースの方がベーシックコースよりも安いことがわかります。
ドコモでの2年間の端末代とケータイ代(最低支払額で済んだ場合、iモード基本料含む)の合計はバリューコースでD905iなどが80640円、N905iμが77280円、月の平均にすると月3220~3360円の支払いで済むことになります。

■au編

auの場合はフルサポートコースでの端末価格はシンプルコースの端末価格よりも21000円安いはずですが、実際には店頭でもフルサポートコースで多くの端末が0円や21000円以上安い価格で販売されており、差額21000円での計算以上にフルサポートコースが圧倒的にお得となっています。
auでの2年間の端末代とケータイ代(最低支払額で済んだ場合、EZWEBの基本料含む)の合計は、フルサポートで新規0円のW55Tが52920円(月平均換算で2205円)、同様の条件で新規9990円のINFOBAR2が62910円(月平均2621.25円)、新規5000円のW53Kが57920円(月平均2413.33円)とドコモよりかなり安い価格帯となっています。
これはおそらく、他キャリアよりもいち早く端末価格を安く抑える努力をしてきたauの成果なのでしょう。一般のイメージとはかけ離れた結果と言えます。

■ソフトバンクモバイル編

ソフトバンクの場合には新スーパーボーナスで購入してホワイトプランを契約、といきたいところですが、現状端末価格が一番安くなるホワイトプラン+Wホワイト+S!ベーシックパックでの契約が続いた前提で計算しています。
しかしそこはソフトバンクマジックで、2ヶ月目にホワイトプラン一本にしてもほとんどの場合には支払い価格は変わらなかったりするんですな。特に近頃の端末では。
そんな感じでソフトバンクでの2年間の端末代とケータイ代の合計を見ていくと、X01Tで94920円(月平均3955円)、920SHで87720円(月3655円)、821SHが73320円(月3055円)、920Tが82920円(3455円)、実質端末代が0円になる911Tが54600円(月2275円)となることがわかります。
一部の安い端末(店頭在庫限りなど)を除き、実際の店頭で販売されている端末のほとんどでは月3000円以上となることが判明しました。
安いイメージを植え付けておいてこっそり値上げするというソフトバンクの悪しきビジネスが、既にソフトバンクモバイルでも始まっているようです。

■ウィルコム編

ウィルコムの場合にはネット基本料相当がいらないので、ウィルコム定額プランの割引無しの基本料金2900円で計算しています。
ウィルコムでの2年間の端末代と最低ケータイ代の合計は、最も端末価格が高いAdvancedW-ZERO3[es](WS011SH)で93120円(月平均3880円)、先月発売されたばかりのnico+で74400円(月3100円)、WX320Tに代表されるほとんどの実質0円端末では69600円(月2900円)で利用できることとなります。
こうして計算してみると、実はそんなに料金的にはウィルコムも他キャリアにそんなに遅れはとっていないことがわかります。

以上のように考えると、意外にもauが2年間使いつづける前提では最も安くケータイをもてる可能性が高いということになりました。
またドコモは対象が905iシリーズというハイエンドほぼ全部いり端末の割にはそんなに高くもないと判明。
一部で「端末が安くても料金が高いので意味がない」などと言われていたウィルコムについても、実際の支払い(端末代+ケータイ代)で考えると実は安いレベルにあることがわかります。
問題はやはりソフトバンク、実際の支払額はほとんどの場合が3000円超となるなど、昨年前半の安いソフトバンクでは既になくなっているという印象を強く感じずにはいられません。私はネットや店頭を見て回ってもその通りで、安さをアピールしているが実際には高いといういわゆるソフトバンクビジネスに転換してきたと言えるでしょう。

このように実際の2年間の総支払額で考えると、普通に店頭に並んでいる端末を買うのであればauが最も安くあとはドングリの背比べで、強いて言えばウィルコムが若干安めで、ドコモとソフトバンクは若干高めという感じに見て取れます。

しかしここで気が付きました、大事な判断材料が抜けています。
この最低支払額で何が出来るか?
ということです。

ドコモのバリューコースとauのフルサポートコースでは従来同様に無料通話分がありますので、使い方次第で通話やパケット代を無料通話分内に収めることが可能となります。
またウィルコムでは最低支払い額だけで、ウィルコムへの音声通話が24時間いつでも無料(連続無料通話は2時間45分まで、ただし何度掛け直しても無料)で相手問わずにメール送受信が無料(pdx.ne.jpドメインを含む端末のメールアドレスが対象)となり、ソフトバンクは同キャリアへの1~21時の通話と同キャリアとのメールのみ無料となります。
加えて言えば、ドコモ、au、ソフトバンクが最大割引適用なのに対し、ウィルコムは割引適用していない2900円で計算しています。もし割引適用の2200円で利用できるならば、月700円安く、2年間で16800円安くなるということも場合によっては検討材料となるでしょう。

ここまで考えると、2年間の総支払額はauが最も安くなるが、その料金でできることを考えると使う人次第でどれがお得かは変わってくると言えます。
同キャリアへの連絡が多い人はウィルコムかソフトバンクになるでしょうし、メールを多用する人にはウィルコムが最良の選択肢に、無料通話分がありがたい人にはドコモかauということになるでしょう。
いずれにしても、一般にあるような世間のイメージはもはや当てはまっていないと言えるでしょう。

昨年の分離プランや割賦販売の導入でより複雑さが増したかのように見えるケータイの料金プランと販売方式ですが、現実には各キャリアは支払額的に大きな差はほとんどなくなってきており、端末だけを見て高いか安いか、あるいはケータイ料金だけを見て高いか安いか判断する時代ではないと言えるでしょう。
それよりも何が出来るか、それが自分の求めているモノであるかどうか、というポイントが今年のケータイ選びでは重要なのかも知れません。