8月のケータイ契約者数において、ウィルコムが3年6ヶ月ぶりとなる純減に転じました
2004年5月の日本初となるフルブラウザ搭載音声端末AH-K3001V(京ぽん)の登場、そして2005年5月の日本初の音声定額となる「ウィルコム定額プラン」のサービス開始などで2004年には約289万だった契約者数を約465万契約と6割増にまで押し上げてきたウィルコムですが、ここにきて法人向け音声端末の電池パック不具合による供給不足や新規契約者向けのキャンペーン不足などの影響もあり、他キャリアに遅れをとった形と報道では伝えられています。

しかし純減となった理由は本当にそれだけでしょうか?
何か根本的に足らないものがウィルコムに生じたのではないでしょうか?

PHSは携帯電話よりも安い料金であることが大きなウリの1つでした。
しかし相次ぐ携帯電話キャリア各社の料金値下げによりPHSの通話料における優位性はどんどん薄れていき、今年に入ってから登場したソフトバンクモバイルがホワイトプランや、ドコモやauの1年目から基本料金が半額になる基本料割引プランのサービス開始により、基本料金の安さという点での優位性さえも失われました。
このような状況の中で、現在のウィルコムの音声向け料金プランは本当に安いと言えるのでしょうか?

ウィルコムが現在メインとしている音声向け料金プランは、言わずと知れ24時間音声定額となる『ウィルコム定額プラン』です。
月2200~2900円という安い基本料金で070への通話とメール送受信が無料になるというのはけして高くはありません。それどころか音声定額とメール定額を活用する人にとっては、かなり安くお得なプランであると言えるでしょう。
またデフォルトのパケット料も他キャリアの10分の1とかなり安く設定されており、サイト閲覧を利用するユーザーにとってもお得と言えます。

また法人向けには「ウィルコムビジネスタイム定額トリプルプラン(月1900円)」が用意されており、3契約以上の条件付けがあるもののウィルコム定額プランよりも料金が安く、1時~21時のビジネスタイムには音声定額となり、通話料も税込10円/30秒と非常に安く、その上メールも定額で利用可能と使い方次第ではウィルコム定額プランよりもお得に使えるプランとなっております。

ですがそれらのユーザー以外にとっては、ウィルコム定額プランなどはどのように映るのしょうか。

待ち受けメインのユーザーにとって、ウィルコム定額プランはあまり魅力の無いものと言えます。
自分から通話や通信をすることがほとんどないが連絡用としてケータイを持っているというユーザーにとって、ソフトバンクモバイルのホワイトプランが登場した今となっては「ウィルコム定額プラン」は魅力が無いプランと言えるからです。

それ以外のDDIポケット時代からのプランである「標準コース(年間契約割引適用で月2409円)」や「昼得コース(月2079円)」などについても既に価格的な訴求力は失われています。
唯一料金的にホワイトプランと対抗しうる「安心だフォン(通話相手先限定サービス)」でさえも通話先が3箇所限定であることや利用可能端末が限定されることで、その用途は以前よりも限定されていると言え、ユーザーにとっては魅力が無い存在となっています。
また「標準コース」や「昼得コース」や「安心だフォン」には、古い携帯向け通話料金と同じ相手先との距離によって通話料が変動するという欠点が依然として内包されており、そのことも足かせの1つとなっています。

つまりは、DDIポケット時代の料金プランはもはやほぼ存在意義を失ってしまっており、ウィルコムは事実上「ウィルコム定額プラン」と「トリプルプラン」の2つの料金プランのみで音声向け料金を提供していると言えるのです。
言い換えるならば、あのドコモですら1年目からの基本料半額を提示している今の御時世においてはこのウィルコムのプラン状況はあまりにも古臭く、ウィルコムはDDIポケット時代の音声向け料金プランについても見直す時期にきているのではないか、とも考えられます。

ではそれらの料金は、どの程度の料金設定にすれば良いでしょう。

少なくとも上限はウィルコム定額プランの割引適用後の料金月2200円(音声定額+メール定額前提)を意識し、ホワイトプランの月980円(準音声定額+準メール定額)も視野に入れた形でなくてはユーザーへ訴えることは難しいでしょう。
これらを考慮した上で、以下のような新音声向け料金プランを私は提案します。

基本料金音声定額メール定額オプション
ウィルコム標準プラン1480×
ウィルコム昼得プラン980×
ウィルコム安心プラン780××

「ウィルコム標準プラン」は音声定額を持たない新・標準プランの位置付けです。
通話料はシンプルにトリプルプラン同様の10円/30秒、メールはウィルコム定額プラン同様に定額とする、通話パック等のウィルコム定額プランと同じオプションプラン適用可。
ホワイトプランよりも500円高く、ドコモのタイプSSよりも410円安い価格設定ではありますが、他キャリアがEメール利用時にインターネット基本料(+210~315円)が必要なことや通話料の差などを考えると、それほど見劣りはしないと思います。
またリアルインターネットプラスを付ければ月3580円でメールとネットが完全定額、ネット閲覧はするが音声定額が必要ないユーザーには悪くないプランではないでしょうか。

「ウィルコム昼得プラン」は旧・昼得コースに相当する音声定額を持たないプラン
通話料は7~19時までは10円/30秒、19~翌7時までは通話料20円/30秒、メールは定額でオプション適用可。
このプランは待ち受けメインのユーザーにも対応できる料金設定となっており、ホワイトプランのような音声準定額(1~21時)はないものの、代わりにメールが完全定額となりある種の魅力を有しています。
さらにリアルインターネットプラスを付ければ3080円でメールもネットも完全定額、電話をほとんど掛けないがネットは多用するユーザーにはうれしいプランになることでしょう。

「ウィルコム安心プラン」は新しい安心だフォン向けプラン
通話相手先は3箇所、通話料は10円/30秒、メールは定額だがオプション適用不可。
できれば全ての機種に対応して欲しい、ついでにネットの利用を不可にする選択肢も付けてもらいたいという野望アリ。

以上のような新料金プランを設定することで、「どうせウィルコムをもっている友達もいないし、自分から電話も掛けないからホワイトプランの方がマシ」という理由でウィルコムを選択肢から外しているユーザーに対しても、ある程度料金的な訴求力を得ることが可能になります。
また料金設定的にも、今のウィルコムにはけして不可能ではないレベルではないでしょうか。良いか悪いかは別として、現状の安心だフォンでの新規販売のような価格調整を行なうことも不可能ではないでしょうから。

この提案はウィルコムユーザーの一人として考えた、ある意味身勝手なものではあります。
しかし現状のウィルコムの音声向け料金プランはあまりにも穴だらけであり、かつ古すぎてユーザーの選択肢にすら入り辛いというのが実際のところでしょう。

カーライルが筆頭株主となりKDDIグループの束縛から放たれて新しいサービスを始めたウィルコムではありましたが、今ではその挑戦魂も影を潜めてしまったかのようにも思えます。
ウィルコムのさらなる躍進の為には、攻めの姿勢も忘れずに、音声向け料金プランについても新しいモノを作り出さねばならない時期にきているような気がしてなりません。

▼参考リンク▼
データ通信に力を入れよう(今日の一言[AIR-internet-EDGE] 8/17)